厚生年金とは

厚生年金ってよく耳にしてきた言葉のはずですが、改めてどんな制度なのかを調べてみると意外なほど中身を知らなかったことに気付かされるのではないでしょうか。

そしてその充実の保障内容にちょっとビックリする人も多いかと思います。

このページではそんな厚生年金の基本的な部分(加入者は誰なのか、保険料はどんな仕組みなのか)などを解説しています。厚生年金の一番最初の「厚生年金とは?」について知りたい方は見ておいてください。

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厚生年金とは

厚生年金とは、基本的に会社に入社すると強制的に加入させられる年金制度のことです。(求人募集の際に「社保完備!」と謳っている会社はいたって普通ということになりますね・・)

厚生年金に加入することで、65歳からは老齢基礎年金と老齢厚生年金が受け取れるようになります。また、それ以外にも

  • 産休期間中、育児休業期間中の厚生年金の保険料免除
  • 加給年金と振替加算(年下の妻の場合、年金額が加算される制度のこと)
  • 特別支給の老齢厚生年金(人によっては65歳前から年金が貰える)
  • 障害厚生年金(障害状態時に年金が支給される)
  • 遺族厚生年金(配偶者が死亡時に年金が支給される)

など、多くの注目すべき保障があり、国民年金と比べるとだいぶ優遇されているのが現状です。そうなのです、厚生年金と国民年金を比べると、将来貰える年金額、受けれる保障の内容などは厚生年金の方が断然優れているのです。

会社員の人は厚生年金に強制加入

会社に入社した人は原則的に厚生年金に強制加入することになります。また、社員並みの労働時間の派遣社員やアルバイトの方も厚生年金に加入しなければいけません。

ただし、働いている会社が厚生年金の適用事業所であることが条件となっています。適用事業所とは、具体的に株式会社や有限会社、医療法人などのことであり、これらの会社で働く場合は厚生年金に加入することになっています。

反対に、個人事業主で常時使用する従業員が5人未満のところ(例えばレストランや農業など)に勤めている場合は厚生年金を適用していない可能性が高く、その場合は厚生年金に加入することができません(5人以上になってはじめて加入義務が出てきます)。

そしてお気付きの方も多いと思いますが、会社を辞めると厚生年金に加入し続けることができず、国民年金に加入することになります。自営業や無職の方は基本的に国民年金の被保険者となっています。

国民年金加入者は厚生年金加入者よりも月々の保険料こそ低いですが、将来貰える年金額、受けれる保障がだいぶ低くなってしまいます。

公的年金の2階建て構造

厚生年金の下限年齢は決まっていない。そして上限は70歳まで加入することができる

国民年金は20歳から60歳までの間に加入することが出来るものですが、厚生年金は少し違ってきます。

まず、厚生年金の加入年齢に下限という考え方はありません。つまり、20歳より前から加入することができます。もっと言うと、17歳や16歳からでも加入することができます。

中卒から働いた場合は15歳から厚生年金に加入することになるので、実質的には15歳からということになるのでしょうか。とはいえ、下限は特に決まっていないのが現状です。

また、上限は70歳までとなっています。基本的に年金が貰えるのが65歳からだから65歳までじゃないの?と思う人が多いと思いますが、65歳以降も会社勤めをする場合は厚生年金の保険料を納めながら「給料」と「老齢年金」の両方を受け取ることができるようになります。

ただし、在職老齢年金の制度により、60歳以降も働く場合は給与が高いとその分だけ年金が減ってしまう仕組みになっています。「60歳から70歳までの間は、給料が高い人はあまり年金はあげないよ」という感じになっているのです。

月々の保険料はいくら?給料が増えると年金も増える仕組み

厚生年金の保険料は給料が高くなればなるほど高くなる仕組みになっています。「多く払うなんて損じゃないの?」と思う方もいるかも知れませんが、多く払った分は将来の老齢年金額に反映されますので、払い過ぎということはありません。

また、保険料の計算については少し難しいため、計算式などは別のページで詳しく解説させていただきます。

保険料の具体例を挙げると、平均月収30万円くらいの場合の厚生年金保険料は2万6千円~2万7千円くらいになります。平均月収60万円になると約5万円くらいの保険料を毎月支払うことになります。

管理人taka管理人taka

これについては同額を事業主が支払っていますので、実際はこの金額の倍を納めていることになります。

厚生年金の加入者は第2号被保険者となり、配偶者を扶養にできる

基本的に厚生年金の加入者は第2号被保険者となり、配偶者を扶養にすることができます。

「第2号被保険者って何の事?」と思う人も多いと思いますが、年金制度は第1号~第3号までの被保険者に分かれており、厚生年金に加入している人は第2号被保険者の分類に入っているのです。

第1号被保険者 ・自営業・フリーター・大学生・無職・国会議員など。
・20歳以上60歳未満の人。
・受給資格が足りない人は65歳まで入れる。
第2号被保険者 ・サラリーマン・公務員などの厚生年金加入者。
・70歳未満の会社員の人。
第3号被保険者 ・第2号被保険者に扶養されている配偶者。
・20歳以上60歳未満で、年収130万円未満が条件。
・保険料は払わなくて良い。

そして第2号被保険者の人は、配偶者(妻または夫)を扶養することができ、扶養された配偶者は第3号被保険者となります。

第3号被保険者の良いところは、保険料を払わなくて良いにも関わらず、将来は国民年金を払った人と同額の年金を受け取ることができるということです。かなりありがたいですね!

しかも扶養しているからといえ、第2号被保険者の厚生年金保険料が高くなる訳ではありません。配偶者がいようがいまいが、サラリーマンの厚生年金保険料が変化することはないのです。